なきり

日記

ビルシャナFD 重衡ルート感想

前作の暴力と狂気に身を浸して生きていた重衡さんが好きだったので、恋によって真人間になっちゃうの嫌だな…という杞憂を抱えながら読みましたが、面白かったのでよかったです(真人間にはなってたが)

 

キャラ像はだいぶ変わりました

前作時点

ブラコンのウォーモンガー

今回

・高貴な生まれや能力の為に幼い時分から他人と心から交われず、その為精神的に未熟で、兄姉との閉じた世界に生きてきた物を知らぬ青年

・孤独で、誰かを愛する喜びも、触れ合う体の暖かさも知らず(女遊びは散々してそうだけど)、子供時代の夢に揺蕩ったまま大人になっちゃった人

 

知盛さんとの関係値に萌えていたので、FDでもそこの絡みがガッツリあってよかった

「兄上は俺を見てくれていなかった」とか。ルートも終盤に、兄と決別する為に彼が悟ったのが、兄を追い続けた己の半生が空虚な物であったという解であるの 切ないな〜って まあそんな半生ひっくり返るほどの出会いを得たのだが

逆なんだよねこの兄弟は

「兄を一心に見つめ続けたが決別するまで理解しなかった弟」と、「弟の全てを理解しつつも関心を注がなかった兄」という

兄は弟の解像度めっちゃ高いと思う

 

振り返ると「俺にだってここまで関心持ってくれた事ないじゃない」とか「兄上がお前なんかを気にしてるの面白く無い」などの台詞に辛くなってくる…

最初からずっと、兄に向ける愛情に同じ物が返ってこないとはわかっていたんですよね

 

夢の中で兄姉と遊んだあの日をずっと重衡さんは愛していたのに、いつからか姉が去り兄も去った。重衡さんだけが一人取り残されて無邪気に子供のまま変わらない。

子供の無邪気さのまま自分が楽しければそれで良く、他者を慮る事などない享楽的な人が、遮那に出会って初めて他者と交わる事を知り、世界が広がり、愛を知った。良かったね…

教経さんの助命嘆願とかも以前の彼なら絶対してないので…

 

いちいちグッとくるシナリオばかりで、前作の色んなルートの重衡さんを思い出しては趣深かったです 弁慶ルートの妹発言とか 実妹というだけで無条件に愛する対象になるんだよ重衡さんにとっては。そういう世界で生きてきたから。(私が妹になりてえな…)

 

なんやかんや兄にも救いがあったので良かったです。兄の最期も切ない上に、兄ルートの分岐である重衡ルートをメタ的に示唆していた演出も良かった。どちらかしか救えない。兄ルートの重衡さん死んでるんだよなー!!!辛い

 

まあ兄弟両方のハピエンは弁慶恋愛エンドだと思う 弟は人を凌駕する生物として、兄は弟の為に死ぬ事を許容して。やっぱハピエンだよね?

 

まあ全部知盛さん虐待した清盛さんが悪いよ